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大手クレジットカード現金化業者が摘発

机に置かれた手錠

2022年6月に「安心くん」「換金クレジット」など複数のクレジットカード現金化サイトを運営する古物商・トラストオブファイブの社長や役員らが出資法違反(高金利など)の容疑で逮捕されました。
警察の発表によりますと、同社は2018年3月から2021年12月までの期間で、延べ5,900人に対して計23億5,000万円を貸し付け、約10億円もの利益を得ていたようです。

トラストオブファイブの摘発は大きなニュースとして取り上げられましたが、なぜ数あるクレジットカード現金化業者がいる中で老舗大手が摘発されたのでしょうか。
クレジットカード現金化の違法性や問題点、業界事情などを徹底解説いたします。

クレジットカード現金化の種類

クレジットカード現金化で最もメジャーなのが「ショッピング枠を現金に換える方法(業者を利用した現金化)」です。
業者を利用したクレジットカード現金化には大きく分けてキャッシュバック方式と買取方式の二種類があり、換金方式は販売した商品に対するキャッシュバック、買取方式は一度販売した商品を買い取るという「体」でそれぞれ現金化します。

前者には手軽でスピーディーな取引が可能(商品を返す必要がないため)だが現金化目的の不正決済を疑われやすい、後者には商品の授受という手間はあるものの安全に取引ができるという特徴があります。

キャッシュバック方式 買取方式
メリット 現金化までが速い 比較的安全
デメリット 比較的高リスク 現金化までが遅い

ただし、買取方式であっても先に振り込みを実施し、後から商品を送ってもらうなどで対応すれば、キャッシュバック方式とスピードは変わりません。
実際に近年では後から商品の授受を行うスタイルの買取方式が増えており、摘発されたトラストオブファイブも恐らくこのスキームを採用していたと予想します。

しかしながら、同社では実際に商品の受け渡し等を行っていなかった(手数料のみを得ていた)ため、摘発に至ってしまったようです。
また、利用者から得たクレジットカードの情報を基に無断で回収を図るなど、悪質な営業をしていたことも明らかになっています。

昔はもっと安全だった

カードでお金と書かれた看板

クレジットカード現金化は1990年代から2000年代にかけて流行した現金調達方法ですが、手数料が高い・繁華街にしかお店がないなどネガティブな要素も多く、2000年ごろをピークに徐々に衰退していきました。
しかし、パソコンやスマートフォンが普及したことで状況が一変します。

2015年頃から来店不要で利用が可能な「Web型のクレジットカード現金化サービス」が登場し、業界は全盛期を超えるほどの大盛り上がりとなります。
盛り上がった要因としては「店舗型に比べて手数料が低い」「店舗に足を運ぶ必要がなくインターネットとの相性が良い」などが挙げられますが、その場で決済・換金をする店舗型に比べるとトラブルが多く見られたのも事実です。

サービスの変化

2019 年以前までのクレジットカード現金化は、決済をした日から数日後の振り込みになる通常プラン(実際に郵送で商品が届き、それを現金化業者に返送するなど)と、振込スピードに特化したスピードプランの2種類を用意するスタイルが主流でした。
実際に商品を発送する取引の方が安全性は高いものの、業者の人件費や郵送コストで換金率が低くなってしまう・実際に振り込まれるまでに時間がかかってしまうなどのデメリットがありました。

競争の激化もあり、近年では通常プランを廃止し、原則当日入金を約束するスピードプランに統合、そして換金率を大幅に高めたサービスが主流となっています。
一部の業者はメールでPCソフトなどのデータを販売する形をとっていますが、実際には商品価値がほとんどないデータを送付することが多く、商品を販売した実績を作る取り組みが業界全体で疎かになっている点は否めません。

利用者の借入先はカード会社
カゴに入ったクレジットカード

トラストオブファイブの役員らは出資法違反(高金利など)の容疑で逮捕されましたが、利用者は同社から借入を行っていたわけではありません。
一般的にクレジットカードのショッピング機能は決済した翌月か翌々月の約定日に指定口座などから引き落とされ、分割払いをした際はクレジットカード会社に対して月々の返済額と利息を払っていく仕組みです。

摘発されたトラストオブファイブは、商品を発送せずにクレジットカード決済を実施していたため、古物の取引ではなく貸付に当たると判断されたと考えます。
「商品の販売がなければ出資法違反で摘発される可能性がある」という事例ができたことは、クレジットカード現金化業界に今後大きな影響を当たるのは間違いないでしょう。

利用者側のリスク

今回逮捕されたのはトラストオブファイブの社長と役員などで、今後は法人に対しても法的責任を追及する可能性があります。
貸付・融資に関連した犯罪で利用者側が逮捕されることはまずありませんが、「決済した後に現金が振り込まれない」「クレジットカード会社から規約違反のペナルティを受ける」などの恐れは十分に考えられますのでご注意ください。(警察の捜査対象になったことで現金を持ち逃げしてしまう、警察の捜査によって同サービスの利用がクレジットカード会社に知られてしまうなど)

最悪の場合、利用者側には支払い義務だけが残り、クレジットカードの強制解約及び一括返済請求、信用情報に返済事故が残るなどの不利益を被る可能性もありますので、悪徳業者の利用は絶対に避けましょう。

アマギフ買取は安全?

顔を手で覆う女性

クレジットカード現金化は言わば「架空の取引」であるため、利用者側も一定のリスクを負わねばなりません。 Amazonギフト券買取では「Amazonギフト券そのもの(現物)」が存在しますので、借金だけが残るという可能性は低いでしょう。
また、Amazonギフト券買取の方がクレジットカード現金化に比べて換金率が高いという点も大きなメリットと言えます。(クレジットカード現金化は80%前後、Amazonギフト券買取は90%前後)

ただし、クレジットカード会社がショッピング枠現金化を認めていない点、Amazonの利用規約ではAmazonギフト券の譲渡が禁止されている点等を鑑みると、Amazonギフト券買取にも「強制解約」「アカウント停止」などの恐れがあることは否定できません。
さらに、Amazonギフト券買取業者の中にも悪徳業者が存在しており、約束通りに振り込まれない・ギフト券を騙し取られた等の被害も報告されています。

「優良店を選ぶこと」「使い過ぎには注意しなければならないこと」はAmazonギフト券買取も同様と言えるのではないでしょうか。